安楽寺は、室町時代末期の1535年に弘文上人によって開山された高野山真言宗のお寺です。安楽寺の本堂は築80年を経過して老朽化が進み、雨漏りによって天井に染みができたり建物が35ミリ程傾いてきました。
大きな地震がくると倒壊する危険性が高い事から、本堂を100年長持ちさせる事を目標にお寺の建設委員会が設置されました。
建設委員会では、タイセイ総合研究所の専攻建築士棟梁が技術監修を行い、施工を金剛組が担当する事となりました。
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安楽寺外観2007年7月2日撮影 |
○古くなったお寺の耐震性を高めるには
傷んだところのチェックを徹底的に行なう事からはじめました。
屋根下地がどこまで傷んでいるのか、瓦をはがしてゆくと向拝(こうはい)と呼ばれる本堂の入り口にあたる部分の屋根は、人が乗ると落下するほどたわみ、部材は完全に腐っていました。
つぎつぎと傷んだ個所を確認し、いよいよ解体工事がはじまりました。
中越地震では、屋根が重く壁の少ないお寺は倒れてしまいました。「地震の時に檀家の皆さんの避難場所に使えるようにしたい!」と言う要望に応えなくてはなりません。
屋根の重さは、荒木田土と平瓦をあわせると61トンもありました。そこで、下地の荒木田土を除去して下地を交換し、土のかわりに防水シートを2枚重ねました。更に一体化された本瓦に交換する事で、屋根の重さを従来の三分の一の21トンにまで軽量化することに成功しました。
更に耐震性を高めるために、小屋裏と床下の補強をおこない床下は破断強度30トンの能力をもつワイヤーをX型に張りました。

こうして床を固めたあとに残るのは壁です。
伝統的なお寺の木造建築は土壁が多く、耐震性が低いのが泣き所です。本堂の四隅などの主要部に耐震壁を設け、古い土壁を除去し間柱を入れて両面からドリームボードという無機パネルを貼り付け、さらに漆喰仕上げとしました。
こうして、単なるお寺の改修ではなく耐震性に配慮した知恵と工夫と技術を盛り込み、床・壁・屋根を総合的に強化した新しいお寺が出来上がりました。

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